トラV大阪燃ゆ

−おもろうてやがて悲しきトラ祭り−

 

 阪神タイガースは9月15日、18年ぶり4度目のリーグ優勝をホームグランド(甲子園)で決め、胴上げの星野監督は笑顔で宙を舞った。その姿に涙を流したオールドファンは少なくなかった。今度は日本一をめざす。しかし、星野監督の母堂は優勝前々夜の13日に逝去、「せめて優勝を見せてやりたかった」という彼に勝負師の厳しさを知り、思わずホロリやった。
 ところで、「死のロード」でトラ酔いの阪神にイライラがつのったトラファンは、Vサインで虎の尾を踏まれた如く一気に爆発。地元大阪の道頓堀川には「危険だからヤメて」の呼びかけも空しく、5300人がダイブし、フリチンのモサが逮捕されるなど日本各地は大荒れ。北京、シンガポールなど各国でもトラフィーバーでフランスでもセーヌ川に飛び込んだジャパニーズ・トラファンがいて、まさに「パリ燃ゆ」やった。
 大阪が生んだ奇才棋士・坂田三吉ゆかりの通天閣にはトラマークがつき、店頭にはトラ印の商品がズラリ。勝負は何が何んでも勝たねばならぬ。商売は儲けねばならぬ。強い阪神へ、にわかトラファンは万万と増え、にわかバーゲンは千千と広がった。「トラが日本を救った」という、その経済効果は数千億円で計測不能とか。まさに今、不況日本国は、「トラ祭り」なんや。でもネ、人生は、コインの裏表。トラ騒動で「客が来まへん。さっぱりや」と嘆く店主やモラルゼロの暴れるトラファンにシャッターを閉める店もあり、喜びもさまざま。
 さて、今の日本は不況、リストラ、首切り、自殺増と八方塞がり。その中で若者のトラ熱にはついおもろうて、やがて悲しき行方かな≠ニ考えてしまう。「みんなトラの威を借りたらあかん。真の猛虎になるんやでぇ〜」と、トラファンのファンになったろうと思うが、どうやろか。むつかしそう。

道頓堀川をゆく虎船で応援するOLファン。船は川へ「飛び込まないで」と訴えたが、遂に死者が出た。乗船等のお問い合わせは、事務局06・6645・7739。


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