平城遷都 1300年祭 

燃えろ古都!開幕前の奈良 冬散歩

 
 
 今年2010年は、710年の平城遷都から1300年にあたる年。古都・奈良では全県を挙げ、春から秋まで、遷都祭のイベントが切れ目なく予定され、目下、その準備が着々と進められている。


平城宮に完成した第一次太極殿

まずスタートのメインイベントは、広大な平城宮跡から。着工から8年がけで完成した第一次太極殿前のイベントで開幕する。同地では、遺跡発掘に加え、他のイベント会場や展示館の建設が急ピッチで進められ、「あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり」(万葉歌)の再現を目ざしている。
 他に数十を越える名刹の国宝、重文の秘宝・秘仏が特別御開帳となり、その拝観チャンスも見すごせない。そのあとは、ぜひ仏教伝来から遣唐使と、アジア諸国との交流が深かった昔を思い、今を考えてみたいもの。

奈良町を歩けばサルに出合う
 
 奈良公園では今、遷都祭のウォーミングアップが始まり、それに誘われた大勢の観光客が周辺に押し寄せている。2月初旬、昼は奈良町、夜はライトアップの奈良公園を歩いたが、日暮れとともに身にしみる冷気に思わず「春は名のみの 風の寒さや」をくちずさんでいた。


若草山に点灯したが、寒さをこらえて待っていた多くの人から
「なんの意味や、さっぱりわからん」の声が

 世界遺産・元興寺(極楽坊)の門前町として栄えた奈良町には、格子づくりの町屋が並び、軒下に吊るされた庚申さんの「身代わりサル」が迎えてくれる。ところで元興寺は、都が藤原京から平城京へ移された710年、飛鳥寺が元興寺と名を変え当地に移ったもので、その屋根瓦にはところどころ色違いのものがある。それは飛鳥寺から運ばれてきた数千枚のもので、日本最古の瓦とい
う。


「身代わりサル」がずらりの私設・奈良町資料館。
見どころ一ぱい

 さて庚申とは、干支の一つ。かのえさる。庚申の夜に寝ると、人の腹の中にいる3匹の虫が抜け出して昇天し、天帝にその人の罪過を告げ命が奪われるというので、人々は寝ないで過した(国語辞典)、とある。ところで、その虫はサルを嫌うため、門前にそのサルがいれば天帝のところへ行けず、かりに悪事がばれても、その「身代わりサル」が天罰を受けてくれるという便利なもの。
 また奈良町の庚申信仰は江戸時代が最も盛んで、庚申の夜は人々は一カ所に集まり、虫が体から抜け出さないように徹夜したとか。人々は肩を寄せあい「虫用心」と唱えていたのか? と想像すると、つい楽しくなってしまう。そして昔、その身代わりサルが門前に家族の人数だけぶら下がっており、それが戸籍の役割も果たしていたというから感心してしまう。
 奈良町には見る、食べる、買うものが一ぱいで、とても言いつくせない。ぜひ、ご自身が体感することをおすすめしたい。


街頭でパフォーマンス。
福島県郡山市の郷土芸能「ひょっとこ踊り」のメンバー

人生は巡礼の旅
 
寺めぐりの中で考えた。今次大戦で焦土と化した日本の中で、よくもまあ京・奈良の寺々が残ったもんだと。それは、アメリカ軍へ京・奈良の空爆をやめさせた米国知識人の進言によるというが、改めて平和の意味をかみしめたいと思う。
 寺めぐりは菩薩行。仏への祈りは平和。今年は、平城遷都1300年祭の行事に合わせ、できるだけ多く奈良各地の寺をめぐり、自ら安らぎを求めたいと思う。さて、みなさんはどの寺、どのコースをお選びかな?


東大寺前のショーウィンドーのキャラクター・セントクン


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